Activity report and statement of activities for the 21st term are now available.
— 2022年10月27日The Activity Report and the Statement of Activities for the 21st fiscal year (August 1, 2021 to July 31, 2022)…
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サクラリグランス・プロジェクト(洋裁による女性の自立支援)が2017年に終了したため、新しい女性の自立支援プロジェクト企画の模索を2018年4月から開始。本プロジェクトの目的は、貧困の中で暮らす女性の自立支援を図る事。殆どの女性が現在持てる能力や技術力に少しの研修で無理なくできることを念頭に検討した。また、ネパールのGDPに占める産業の割合からすると、農業と観光業に関わる事が最も収入につながると考えた。色々模索する中、ネパールには多くの観光地にあるようないわゆる“ばらまき型”のお土産がない。我々もネパールを訪問した際、日本へのお土産は少しづつ配ることができない紅茶やコーヒー豆、パシュミナストール、ロクタ紙工芸品などになる。それらはネパールを代表する素晴らしい商品だが、親しい人や、個人消費としては向いているが会社や友人に気軽に安価で小分けにして配れるものではない。ネパールにもそのようなお土産があると観光客に売れるのではないかと考え、2018年8月から調査・開発をスタート。ネパールの特産であるコーヒー、紅茶、ピンク岩塩、ヒマラヤ蜂蜜、ジンジャー、Hog Plum 等のネパール特産品を用いて作ったクッキーやマドレーヌなどを海外からの観光客向けに販売を行う。お土産文化があるアジア系の観光客への販売が見込める。また、カフェ文化の黎明期であるネパールには日本のような美味しいスイーツがなく、ヒマラヤ登山の入り口であり多くの海外からの観光客が訪れる我々の活動拠点のポカラのカフェ、ホテルや新国際空港にも導入を見込める。
2018年11月に浜松調理菓子専門学校校長の天野氏と静岡市の洋菓子店オーナーパティシエの中川氏がポカラでヒマラヤ・サブレの基本となるサブレや他の簡単な洋菓子レシピを現地のトレッキングガイドをする若い女性約10名にご教授いただいた。そのうち、困窮度と本人のやる気を見込んで、カフェを数店舗所有するブッダ基金の現地アドバイザーであるジャガン氏がラチャナさんをカフェのパティシエとして採用してくれた。
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ラチャナさん |
最初の半年間はネパールでの営業方法が分からず殆ど売れなかった。プロジェクト開始当初は現地にパッケージング等を任せていたが、現地も初めての取り組みでなかなか箱ひとつとっても日本の土産物が入っているような箱が入手できなかった。
![]() 最初の”サブレ” |
![]() スノーボールクッキー |
![]() 初期のパッケージ・・・
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↑ 食品衛生局に検品提出し承認が下りれば販売可能となる
当初はインド製のデザインばかり派手で粗悪な割には値段が高い化粧箱に詰めて店頭に並べた。お客の反応も悪く、売り上げにはあまりつながらなかった。ジャガン氏が来日した際に、東京のかっぱ橋で仕入れた菓子用パッケージを使いだしてから商品の見た目や衛生面が向上し、ジャガン氏のコーヒーショップ(レークサイド店、ニューロード店、高速道路店)でも少しづつ売れるようになっていった。やはり、味だけでなく梱包や見た目も重要であることが分かり、日本から組み立て式の菓子箱を仕入れて、ブッダ基金でデザインした包装紙とともに派遣団で渡航する際に持参した。またパッケージや見た目を改善することと並行して殆ど営業活動を行っていなかったため、ジャガン氏にカトマンズやポカラの土産物店、ホテル、空港などを訪問してもらい商品を置いてもらう交渉が始まった。
![]() 日本から仕入れた箱にロゴを印刷 |
![]() 2世代目のサブレデザイン |
![]() 第3世代目のヒマラヤ・サブレ、この形に落ち着いた |
♦ サブレ、スノーボールクッキー、マドレーヌを販売している “Star Coffee” (ジャガン氏のコーヒーショップ)
![]() レークサイド店 |
![]() 高速道路店 その1 |
![]() 高速道路店 その2 |
パッケージの工夫やジャガン氏による粘り強い営業活動により徐々に販売が伸び、1年後の2019年11月には季節によりむらはあるが、一日に数箱、観光シーズンには多い時で20箱の注文があった。現在1箱10枚入りでNRs.400で販売、賞味期限は3か月。ジャガン氏の試算によると一日50箱売れれば2名の女性を雇用することが可能。昨年11月の開始から今まで約NRs5万の売り上げがあった。当初は外国人観光客にしか売れないと考えていたが、ネパールにはグルカ兵としてヨーロッパで暮らした裕福なネパール人もいてそのような人々がコーヒーと共に焼き菓子を買っていく。今後は彼らのような裕福な地元民の購入も見込む。
![]() ジャガン氏の努力によりポカラでもようやく日本のような箱の量産にこぎつける |
![]() 日本で作成した包装紙で包んで販売 |
![]() ジャガン氏の次女のクリスちゃんと奥様も一緒になって頑張っている |
♦ 2020年から導入した新商品 (見本)
![]() マドレーヌ |
![]() はちみつ |
![]() ![]() サブレやマドレーヌの材料だけでなくハワイのようなマカダミアナッツのお土産も開発を検討中 |
♣ 2020年1月には、シャリカさん(ジャガン氏奥様)に来日いただき、スマさん(ジャガン氏長女:日本在住)による浜松での「マドレーヌ研修」を行いました。その様子については、ブログに掲載いたします。
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